映画「Ray」を見た -Georgia on my mind-
2005年10月30日 映画十数年前、We are the worldで体を揺さぶりつつ熱く歌うRay Charlesの姿を見て、心を奪われた。あんなにソウルフルで力のある、それでいて優しさに満ちた歌声をそれまで聞いたことがなかったから。あんなにも心を揺さぶられるなんて、何度も何度も繰り返し見た・・・。
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「Ray」を見て、あの魂の歌声の理由がわかった。Deep South に生まれ、不遇な少年時代を送り、そして盲目に。彼を音楽へ向かわせた背景を思うと、何もかも最初から決められていたことのように思ってしまう。少年時代の彼が、初めて触れたピアノで教わったのは、ド・ミ♭・シ♭のブルーノートスケールだ。やはり彼のルーツはあれだ。とてつもなくソウルフルな歌声、そしてファンキーでブルージーなピアノ、あのカッコよさを真似できる者など絶対にいないだろう。全身が音楽だ。
瞬時に閃いたあふれる情感を誰が何と言おうが曲に表現してしまうところは本当に天才だと思った。そしてそのRayを演じる Jamie Foxx の素晴らしい演技。演奏シーンなどは本当にRayが歌ってると何度も錯覚する。
暖かい家庭を持ちながらも、他の女性に魅かれ、溺れていく。それでも愛で満たされることがなかったのは、強く優しかった亡き母親の面影を常に求めていたからかもしれない。
エンドロールで静かに流れる Georgia on my mind, あの曲には Ray のすべてがある。本当になんと心を動かされる曲なんだろう。もう二度とリアルタイムで彼の歌声を聞くことができないのはさみしいことだけど、きっと Ray は Deep south に帰っていったんだろう、本当の魂の故郷へ。そう思うとなぜか心が安らぐ。どうか安らかに・・・。
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